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2008年5月13日 (火)

ザブリミナル

サブリミナル効果・・・というのは心理学の分野に入るのでしょうか、潜在意識に働きかけるものです。

かつてアメリカで、映画のカットの中に「コーラを買おう」とか「ポップコーンを買おう」というものを入れ、それを見た客の様子を観察したところ、売店でのコーラとポップコーンの売上が増加した・・・という報告があります。

とても短いカットでの挿入なので、映画を見ている人には、ほとんど意識しないくらいのものですが、潜在意識として働きかける効果があるのか・・・ということが争点となりました。これについては、まだ確立した見解はないのですが、乱用防止のため、日本ではそういうものは広告だけでなく広く禁止されています。

今回、これを話題にしたのは、「後期高齢者保健制度」の問題。この制度は、増え続ける高齢者の医療費を高齢者自身にも負担してもらおうというもの。一見合理的にみえますが、終末医療に関しては、本人に余命が告知され、どういう治療を受けるか自分で決めないといけないのです。本人が生きたいと思っても「これだけお金がかかりますよ~」と明示されれば、高齢者も生きるための治療を断念しないといけません。民主党など野党の演説に「この制度は、年寄りは早く死ね」といっているのです・・・とアピール。

1992年の年末に、フジテレビの人気番組「世にも奇妙な物語」の特別編で「サブリミナル」というタイトルのストーリーが放送されました。

ある学者の謎の死を追う記者の物語です。その時代の日本は、高齢者が増加して年金はパンク状態。しかし、政府は老後を楽しみましょう・・・と宣伝している。一方で、テレビではチューインガムのコマーシャルが頻繁に放送されるようになった。それと同時に高齢者自殺が目立つように。記者は、この自殺と謎の死を遂げた学者との関連を追っていく。学者の研究がサブリミナルと知り、チューインガムのコマーシャルをスローモーションで見てみると「65歳以上の者は、自ら死を選べ」というカットが挿入されていることに気がつく。これを暴こうとしたが、逆に同じCMに記者自身の抹殺司令のカットが挿入される・・・というあらすじです。

たぶん、この「世にも奇妙な物語」の中で、トップクラスの作品だと私は思っています。ブラックユーモアの域を超えた、身近に恐怖を描いた素晴らしい作品でした。これが放送された当時は、現在のような高齢者の医療負担や年金問題なとはありませんでした。しかし、今は現実に、あの物語と同じような問題が起こっているのです。ストーリーの中にあったような、サブリミナル効果を狙うようなことはないのでしょうが、この後期高齢者医療保険制度は、知らないうちに、どんどん長生きをすることが国全体に負担をかけることを若い世代にも意識させているような気がします。

確かに、高齢者の負担を若い者が全部負担するのは苦しいです。でも、北欧諸国のように税金が高いのも困ります。しかし、間接的に高齢者は自ら長生きをすることを選択しないように・・・と訴えかけているみたい。あのドラマの中のサブリミナル効果と同じように。

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